晴彦の雑記ブログ

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ほかの味を邪魔せず引き立てるのでコーヒーや紅茶にも合う

和三盆作りは地元農家に依頼して春に苗を植えたサトウキビを12月に収穫するところから始まる。
サトウキビを絞った汁を、アクをたんねんに取り除きながら釜で煮詰める。
いったん不純物を沈殿させ、上澄み液を再び煮詰めて冷ますと、茶褐色のどろっとした白下糖というものになる。
ここからが独特だ。
白下糖を押し船という型に入れ、棒につるした石を重しにテコの原理で糖蜜を一晩かけて抜く。
取り出した白下糖は職人が手でもみほぐす研ぎを経て、再び糖蜜を抜く。
これを繰り返してサラサラした和三盆に仕上げる。
盆の上で3日間研ぐため、この名が付いたとされるが、白さが好まれる現在は5日間かけている。
研ぎを重ねて結晶の角をとり、糖蜜を抜けやすくして純度を高める。
糖蜜を抜く過程で作業場の酵母が働き、うまみが増す。
だから量を追わず、伝統にこだわってきた。
サトウキビが育つ土地柄も重要で、鹿児島産などでは同じ甘さにならないという。
一部が登録有形文化財である建物は風格があり、糖蜜を抜く作業場の一角は、併設した売り場からガラス越しにのぞくことができる。
和三盆そのものを味わえるのが、何も加えず木型で型抜きして乾燥させた干菓子だ。季節の花などをかたどった様々な形や色は目でも楽しめる。
三谷製糖は昔ながらの素朴な丸い干菓子も作る。
それを羽子板の羽根のように紙で包んだ羽根さぬきを伝統の証しとして商号にも掲げる。
和三盆で作った干菓子はお茶席での定番だが、三谷社長はほかの味を邪魔せず引き立てるのでコーヒーや紅茶にも合うと語る。
ジャムを作る際などにもぴったりだという。
和三盆 干菓子